調圧ルームでは気圧を下げてもとに戻すことを50分間で数回繰り返しています。
気圧を下げたときは、旅客機の機内と同じくらいの気圧になります。
旅客機内では食事をしたりお酒も飲みますから、体にはほとんど負担のない気圧です。気圧をもとに戻したときは、室外と同じ1気圧になります。
調圧ルームに入っていると、10分もしないうちにご自分のからだが温まってくるのを感じていただけると思います。体温計をお持ちになれば、実際に体温が普段より高くなっているのを確認していただけます。
体温が上がると健康によいのは今や常識となっています。
この2つの理由を考えてみました。
まずはじめに、調圧ルーム内の気圧を下げる(減圧)と、酸素濃度は薄くなりはじめます。するとカラダの細胞は無意識の内に自分を守ろうとして、できるだけ酸素を多く取り込もうとします。次に気圧を平常に戻し酸素を濃くしていく(加圧)と、酸素に飢えた細胞は勢いよく酸素を取り込み始めます。
調圧ルーム内ではこのような気圧の上げ下げを10分サイクルで行い、それを5回繰り返すので、合計50分かかります。
通常、酸素呼吸が行われている体内では、ブドウ糖と水と酸素が化学的に反応してATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー源と熱が産出されています。
普段、細胞は自分に必要な分だけの酸素呼吸を行っていますが、調圧ルーム内で普段より多く酸素が取り込まれるとATPと熱もより多く産出されるので体温が上るのだろうと考えています。
通常、運動して体温が上がる場合は心拍数が増えると同時に疲労も感じますが、調圧ルーム中では体温は上がっても心拍数は変化しませんし、疲労感もまったくありません。
蓄えられたATP(エネルギー源)が元気の源になって人のカラダに好循環をもたらしていると考えられます。空気を調圧した部屋に50分間座っているだけで細胞が本来持っている力を呼び覚ましているのかもしれません。